July 30. 2005
《初めてのBaja》 リポート:Tomoki Anzai
■10年以上乗っていなかったモトクロスバイクを買ったのが去年の出来事。
一緒に乗りに行ける人はいないものかとインターネットで探したところ石井さんのホームページと出会い、そして今住んでいるロスの目と鼻の先にBAJAというオフロードパラダイスがある事を知りました。
1年乗ったが全然うまく乗れないモトクロスバイクを売り、もっと乗りこなせないであろうBAJA最強マシンXR650を買ったのが先月。こんな私が石井さんの紹介で今回の満腹トリオさん達のBAJAツーリングに参加させていただきました。
楽しい事だらけを想像して出発した初めてのBAJAツーリングでしたが。。。。
<9月30日金曜日>
満腹トリオさん達との待ち合わせ場所であるエンセナダのホテルに向かって出発。金曜午後の混雑するフリーウェイを抜け、サンディエゴ/メキシコ国境に到着したのが薄暗くなった夕方。満腹トリオさん達に言われた通り、国境を越える前に車とバイクのガソリンを満タンにする。そしていざ問題の“国境越え”。ゲートを通過する時、赤ランプ点灯し、特別検査のルートへ誘導される。イミグレーションの警備員さんに止められ車の中のチェック。バイクのレジストレーションを見せると何やら番号が違うと言っている様子。(私はスペイン語はまったく喋れません。)自分で確認すると確かにバイクに貼ってあるグリーンステッカーの番号が違う。フレームのハンドル部分の車体番号を懐中電気を照らして必死に探すが見つからず。警備員さんは一言。『アメリカに帰りなさい』。泣きそうな顔をして「行かせて!」と頼むがダメ。
このXR650、実は石井さんから売って頂いたバイクで、買った時に車体番号もグリーンステッカーの番号も確認はしませんでした。考えられるとすると、石井さんが間違えて違う書類を私にくれたのかな!?。。。と。(石井さん、疑ってしまってごめんなさい。)
とりあえずはアメリカ側に戻ろうとしたがUターンする出口が分からず、うろうろしている間に他の車の流れに逆らえずそのままメキシコに入ってしまいました。このまま行ってしまってもいいのだろうか?と一瞬思ったが、そんな事があるはずはなく、すぐにパトカーがやってきました。多分こういう事は多いのだろうか、べつに怒られもせずに出口までパトカーに道を逆走しながら誘導してもらい、無事にアメリカ側に帰されました。そして“私のBAJAツアーはこれで終わりました”(泣)・・・・。
とにかく満腹トリオさん達に連絡をとろうと電話をしましたが繋がらず。国境手前のChevronのガスステに寄ると言っていたのを思い出し、そこで満腹トリオさん達と偶然会えるのを最後の神頼みにしてガスステに直行。行ってみると偶然にもガソリンを入れている日本人を発見。ちゃんと3人いる。近づいて何語を喋っているか立ち聞きしてみると日本語。話しかけると本当に満腹トリオさん達でした。(私はこのときが3人とは初対面なのです)。私の顔は泣きそうでしたが、みなさんニコニコと感じの良い方達ですごく安心しました。車体番号も見つけて頂き、『国境を越える時は一番左側を通ると止められにくい』と教えて頂き、無線機を渡され、私のBAJAツアーは復活!しました。満腹トリオさん達の車に10台程間をあけ、一番左側の車線を使い再び国境越え。
が、一番左側の車線にも警備員がいました。無線連絡で満腹トリオさん達は止められたが無事通過との連絡。私も案の定また止められ、車の中を覗かれバイクを見ていましたがレジストレーションはチェックされず無事通過。警備員によってチェックが全然違うのですね。こうしてやっとの思いでエンセナダ入りが出来ました。
<10月1日土曜日>
昨夜はホテル到着後にスーパーで買い物、日本食レストランで刺身盛り合わせを食べながら「なぜ満腹トリオと呼ばれているのか」の質問をし、『一番食べるのは石井さん』と聞きました。でも、3人もとっても凄い食欲だった。『トイレに紙を流すと詰まるから絶対流さないように』とメキシコ湾ポイントアドバイスを教えて頂きホテルへ戻りました。疲れと安心でぐっすり眠れました。満腹トリオさん達の朝は、『何も急がずゆっくりやりましょうよ』と声をかけていただき,
まずは朝食。その後各自準備をしていざ出発となりました。
国道3号でオーホスネグロスへ、軍の検問を通過し、なんでこんな所にダチョウがいるんだぁとダチョウを横目に見て、オーホスネグロスからダートロードで東の方向へと。初めてのBAJAで道など全く知らないので、いつも2番目か3番目を走ることにしてもらいました。ツーリングさえ初めての私は、この時点ではまだ、《景色を見ながらの楽しいツーリング》になるとかってに思っていました。ダートロードが始まってすぐに思ったことは、“すごい砂埃だなぁ〜”、それと“なんかペースが速くないですか?”ということ。最初はだだっ広い所を走り、道はしだいに山道へと。どれくらい走ったかは覚えていませんが、何もない山の中にお店があり(ラグナハンソン)、そこで最初の休憩です。
私にとってはペースが速くついていくのがやっとで、景色など見てるどころではありません。
コーラを飲みながら、「このペースでずっと行くのかぁ〜」、と始まったばかりなのにすでに残りの数日間が不安でした。来た道など覚えてもいないので一人で帰るわけにもいかないので、ついて行ける所までついて行くしかないと心に決めてそのお店を出発です。大きな木があちこちで倒れてる山道を抜け、あちこちに現れる牛やら馬やらを見ながら(牛なんかは、向かってきたらどうしようなどと考えながらちょっと怖かったです。)国道3号に出て、トリニダットを通り抜け、その日泊まるマイクスへ到着。もうヘトヘトのクタクタです。途中一度、深いフープスで転びエンジンがかからず、林さん(CRF450X)にかけて頂きました。XR650のエンジンをかけるのが私にはまだ難しいです。
たった一日しか走っていないのに、私のリュックサックの両肩の部分はちぎれる寸前まで切れていました。小笠原さん(DRZ400)が『登山用の頑丈なリュックサックじゃないとダメだよ』と教えてくれました。明日行くサンフェリペには登山用品を売っているお店はないだろうということなので、紐とテープでグルグル巻に補強をし、残りの数日間を耐えられるように補修をしました。
教訓:走るのだけで精一杯なので、持ち物などに気を使う必要がないように次回からは(次回があるとすれば)しっかりしたリュックサックを持ってこないと・・・・。
マイクスには30数人のバイカー達がワイワイガヤガヤやっていました。夕飯のステーキは満腹トリオさん達曰く、『いつもはこんなに硬くない。』たしかに硬くてあごが疲れました。やっと一日目が終わりました。疲れたぁ〜。また明日もこれをやるのかぁ〜。
<10月2日日曜日>
サンフェリペに出発する前に、マイクスの裏山一周に行きました。ガレ場を走るのは今回で2回目。“怖い”の一言です。しかしXR650は頼もしい限りで、自分で転ばない限り低回転数でもグングンのぼっていきます。しばらくして谷さん(CRF250X)が転倒。手の平が青くなったようですが、大事に至らずにそのまま走行。その後すぐに林さんのフロントがパンクでチューブ交換。正直言って休憩できるのが嬉しかったです。林さん、ごめんなさい。でも、林さんはパッパッとあっというまに修理してしまい再出発。その後またすぐに林さんのフロントの空気はぬけてしまったのですが、林さんはマイクスまでそのまま走行。ガレ場の下りをフロントタイヤがパンクしたままスイスイ行ってしまうのは凄い(さすが大魔王さま)。
マイクスで修理後、サンフェリペに出発しました。国道3のサンマティアスで給油しようとしましたが、ガスステが休み。私のバイクだけガス欠になりそうですが、行けるところまで行こうということになり、昼飯だけ食べて出発。林さんは、朝もマイクスで、そしてここでも大量に激辛サルサ(?)を食べていました。(さすが大魔王さま)。パワーラインの下からゲートを開け閉めしてダートに入り、ドライレイク近くまでのフープス。今回、スペアチューブをフロントフェンダーに普通の紐でグルグル巻にしてあったのですが、フープスではタイヤがフェンダーギリギリまでくるので紐にあたって切れそう。教訓:満腹トリオさん達が付けてるようなちゃんとしたフェンダーにつけるバックを次回は持ってこないと。
ここで、谷さんが走行中にサボテンに触って針が刺さってしまいました。手のひら負傷とサボテン針攻撃を受けながらも走行。でもかなり辛そう。この時点で気温はかなり高かったので、私は暑さだけでもかなり辛い状態。しかし、その後のドライレイクは気分爽快でした。ツーリングが始まってから初めての爽快感。XR650はアクセルを開ければ開けるほどスピードが出ます。このスピードで転んだら、というのがパッと頭に浮かぶたびにアクセルを戻してしまう怖がりの私です。
ドライレイクが終わるころ、林さんは激辛がたたったようでトイレ休憩。そこからはスピードが出る平らな道を走りました。途中、やはり私のバイクがガス欠になったので林さんからジュースの空きボトルでガスを分けてもらい、なんとかサンフェリペに到着しました。とにかく暑い。ガスステで給油と休憩。私は、この暑さで体がおかしくなってしまうのではないかと思い、スポーツ栄養ドリンクみたいなものとトマトジュース、それと普通のジュース3本一気飲みです。ホテルにチェックインした後、小笠原さんはバイク整備。小笠原さんのDRZ400は初日からフロントフォークのオイルが漏れているので、明日のフープスは大変そう。私は疲れていてバイクチェックは何もせず。谷さんは怪我で肩が動かずかなり辛そう。林さんは全然疲れてもいないような様子。(凄い)
<10月3日月曜日>
今日は話には聞いているフープス何万個?の日。スペアチューブをフロントフェン
ダーグルグル巻からリアフェンダーグルグル巻に交換。でも、この日フープスに到着する前にどこかに落としてきたのですが。谷さんは怪我でフープスは無理そうなので、国道を走ってマイクスで待ち合わせとなりました。さて出発というときに小笠原さんが、私のフロントタイヤの空気の入れ口がホイール・リムの中に落ちそうなのを発見。空気圧もかなり低い。昨日のうちにチェック/修理しておけば良かったものを、出発前のそれもすでに気温はかなり暑い中、フロントタイヤをはずしチューブの位置を戻して空気入れの作業。小笠原さん、林さんに手伝っていただいてありがとうございました。教訓:バイクチェックは前の日のうちに。(次の日も同じことをしたのですが。)
一汗かいて、さて出発。サンフェリペのきれいな緑色の海を見ながら南に走り、西方面へのダートロードへと、その辺りを少し走った後サンフェリペに戻り、そこから地獄のフープスへと。かなり長いと聞いてはいたのですが、どれくらいのペースで走ればいいのか分からず適当に自分のペースで走りました。本当に続く、続く、いつまで続く。フープスを泣きたくなる程走ってからやっとの休憩。小笠原さん、林さん曰く、『1/3くらい来たかなぁ〜』。「まじですかぁ?」と私。このペースじゃついて行けないと思い、休憩を短くしてみなさんより先に一人で出発しました。もちろんペースダウンです。
できるだけ平らな所を探しながら走るのですが、それでもすぐに疲れてしまい、我慢大会に出ているような気分でした。もうだめだという所でまた休憩。小笠原さんと林さんはすでにすぐ後ろまで来ていて、一緒に休憩。死にはしないのだろうが、死にそうという言葉がすぐに出てきてしまいます。天気もカンカン照りの最悪です。再出発後、林さんはすぐに見えなくなるスピードで行ってしまい、小笠原さんは私が道が分からないので後ろを走ってくれました。
しばらくすると車がすぐ右側を走っているのに気付き、ここが国道3号かぁ〜、国道走ったら楽だろうなぁと思いましたが、林さんから国道走行禁止令が出されていたのでズルはしませんでしたが、頭の中ではこれはツーリングじゃなくて何かのトレーニングキャンプに来ているようだなぁ〜と。とにかく辛い。道をちょっと間違えたらしく、林さんよりも先にサンマティアスに着いてしまった。林さんと合流後、国道からトリニダッドを抜け、マイクスへ。途中コーナーを曲がりきれず転倒。
その瞬間フープスの疲れから両足ふとももが同時につってしまい、少し休憩。なんとかマイクスへ到着し、谷さんと合流。土曜日とはうってかわってマイクスは私達4人のみ。夕飯のステーキも今夜は硬くなく美味しかったです。
<10月4日火曜日>
朝起きて、両足少し筋肉痛。バイクはまたもフロントタイヤの空気入れ口がホイールの中に落ちそうで空気圧も低い。またもや朝にタイヤをはずしてチューブを取り出して、きれいに入れ直し。
再教訓:前日にバイクチェックと昨日自分で言ったばっかりじゃん。
このXR650は石井さんに整備されたバイクですが、フロントチューブはヘビーデューティーなうえに、さらにチューブが巻いてある2重ゴムパンク防止となっており、取
り出すだけでも一苦労でした。満腹トリオさん達曰く、『石井さんは工具いらずの力の持ち主なのでなんともなかったのだろう』、と。
さて最終日、谷さんもなんとか肩も大丈夫ということでみんなで出発。マイクスの裏山を上って、下ったくらいの所で林さんのフロントがパンク。チューブを取り出して修理をするがどうも空気がぬけただけのよう。空気を入れて再出発。雨が降るとツルツルで上れないという場所を通ったが、雲一つないカンカン照りなので無事通過。山の上での休憩では、景色が最高でした。そこから国道1号に抜けました。タコスを食べようと店を探したが見つからないでいたら、親切なおばちゃんが『ちょっと待てば作ってあげる』とスペイン語で言ってるようなのでそのおばちゃんの雑貨屋さんみたいな店の前で休憩。即席タコス、私にはおいしかったです。
その後、道を間違えて地図を見ていると、バイクに乗った長身のアメリカ人2人組が登場。日本から来たというと『一緒に写真を撮ろう』と言ってきて記念撮影。そこからは太平洋に抜け《休憩/写真撮影》。きれいな海岸線を走り、サントトーマスに抜け、国道1号で検問を通り、バイクトラブルもなく無事にエンセナダに夕方到着となりました。私のボロボロになったリュックサックもなんとか耐えてくれました。
すべてが“初めて”だった私には、今回のBAJAツアーは「辛かったけど、また行きたい」と思わせてくれるツアーになりました。そしてなによりもBAJA1000を一人で何回も走った石井さんは通常の体力/精神力の持ち主ではないと思いました。凄すぎるという言葉がぴったりです。今回はBAJAも北のほうのみでしたので、いつかは中部や南部の方も行ってみたいです。満腹トリオさん、本当にいろいろお世話になりました。良い経験になりました。また機会がありましたら誘ってください。
満腹トリオさん達は最終日はエンセナダに泊まりましたが、私は今度満腹トリオのステッカーをもらうことを約束してエンセナダをあとにし、帰宅の途につきました。
リポート:Tomoki Anzai (Torrance,California在住)
|